【誰でも乗りやすい、最新スーパースポーツ発売間近】次世代フラッグシップとして注目が集まるヤマハ「YZF-R9」に熱視線


ヤマハのYZF-Rは、前述のとおり、MotoGPなど世界的レースで活躍するレーシングマシン直系のスタイルや性能を持たせたスーパースポーツというジャンルに属するシリーズ。
前述した1000ccのYZF-R1やカーボンカウルを備える上級グレードのYZF-R1Mを頂点に、700ccの「YZF-R7」、320ccの「YZF-R3」、250ccの「YZF-R25」など豊富なラインナップを用意。2023年からは155ccの「YZF-R15」や125ccの「YZF-R125」も追加することで、初心者からベテランまで幅広いライダーに対応する多様な排気量のバイクを展開。現在のヤマハを代表するブランドのひとつだといえる。

そんなYZF-Rシリーズの次世代フラッグシップとして登場するのがYZF-R9だ。これは、従来の頂点であるYZF-R1/R1Mが、排出ガス規制などの影響で、公道仕様車については生産終了となるためだ。欧州ではすでに2024年モデルまで、北米や日本でも2025年モデルが最後になるといわれている。
ちなみに2025年モデルのYZF-R1/R1Mは、フロントフェイスに空力特性を高める大型のウイングレットを追加するなどのアップデートを実施。上級仕様のYZF-R1Mを税込み価格328万9000円で2025年3月31日に発売。スタンダードのYZF-R1は、税込み価格253万円で2025年5月30日に発売予定だ。
ただし、ヤマハの公式ホームページによると、予約台数が「生産上限数に達する見込み」となったため、受注停止となり新規の注文ができない状態となっている(2025年5月3日現在)。ちなみにYZF-R1には、公道走行のできないレース専用車もあるが、欧州などでは今後そちらのみの販売となるようだ。
YZF-R9の搭載エンジンについて

そんな背景のなか、登場したのがYZF-R9だ。特徴をひと言でまとめると、「誰にでも乗りやすいスーパースポーツ」といったところだろうか。その大きな要因は、搭載するエンジン。従来のフラッグシップYZF-R1/R1Mでは、997cc・水冷4ストローク直列4気筒を搭載し、最高出力147kW(200PS)/13500rpmもの大パワーを発揮。しかも車両重量はわずか201~203kg。1000ccクラスとしてはかなり軽く、パワーウエイトレシオで1.005~1.015kg/PSを実現する。
パワーウエイトレシオとは、1馬力あたりにどれくらいの重量を動かせるかを表す指標で、数値が小さいほど、加速性能に優れると評価できる。対するYZF-R9は、欧州仕様の場合で車両重量195kgで最高出力119PSなので、パワーウエイトレシオ1.639kg/PS。あきらかにYZF-R1/R1Mが加速性能に優れていることがわかる。
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