清原達郎氏が伝授!「四季報春号を読んで、今すぐ買いたい銘柄は12銘柄見つかった」「割安小型株にはまだ魅力的な銘柄が残っている」

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「四季報春号」を読んで魅力的な銘柄を探しました。企業のホームページを見るまでもなく、今すぐに買いたい銘柄は12銘柄見つかりました。また「買いたいんだけど調べなきゃ」という銘柄が20数銘柄出てきました。ただそれらは全部小型株です(化学セクターでは2銘柄ほど中型株があります)。

確かに割安小型株の株価は上昇してきました。でもまだ魅力的な銘柄は残っているのです。大型株で今すぐに買いたい銘柄はゼロでした。ただ私はもう終活に入っているので、小型株を買うことは控えようと思っています。大型株は相場がまた暴落したときに高配当銘柄を中心に個人で買いを入れるかもしれません。

内需オンリーの企業は厳しい

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「四季報春号」では全体として、「ESG」「サステイナビリティ」「洋上風力開発」「太陽光発電」といった「環境がらみ」のコメントが減ってきたという印象を持ちました。さすがに「EV」(電気自動車)のコメントは消えてなくなってはいませんが。春号を読んで「ESGはバブルだった」という思いが強くなりました。

「四季報春号」を読む際、1つの指標を意識してみました。四季報には「有利子負債」の数字が載っています。それを私が試算した「平準化した純利益」で割ってみたのです(暗算でできるので楽です)。

つまり「減価償却と設備投資の額が同じなら、株主還元ゼロの前提で何年で借金が返せるか」ということです(銀行等の金融機関や販売金融のある自動車メーカーにとっては意味のない数字です)。本当は決算短信でバランスシート(貸借対照表)を見ないと正確なことは言えないのですが、面倒なので四季報をパラパラめくって見るだけという方も多いのではないでしょうか。

日本の上場企業は過去40年間でバランスシートを強烈に改善してきました。だから大企業で信用リスクのある会社はほんのわずかです(それが私が個人でメガバンク株を保有している理由の1つです)。

でも「四季報春号」を読んで思ったんです。やっぱり「内需オンリーの企業は厳しいな」と。日本の内需は極端に先細りです。「借金の多い会社は本当に返せるのだろうか?」という疑問が湧いてきました。この指標が10倍以下なら問題はないと思いますが、そうではない会社もあるので注意が非必要です。

会社四季報オンラインでは、清原氏が建設から食品、不動産まで計23セクターの詳細な分析を5回に分けて会社四季報の読み方を伝授。個人投資家の銘柄選びの心強いヒントになるはずです。

会社四季報オンラインの連載「清原達郎さんに聞く」はこちら

清原 達郎 投資家

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きよはら・たつろう / Taturo Kiyohara

1981年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業。同年、野村證券に入社、海外投資顧問室に配属。スタンフォード大学で経営学修士号(MBA)取得後、1986年に野村證券NY支店に配属。1991年、ゴールドマン・サックス証券東京支店に転職。その後モルガン・スタンレー証券、スパークス投資顧問を経て、98年、タワー投資顧問で基幹ファンド「タワーK1ファンド」をローンチ。2005年に発表された最後の高額納税者名簿(長者番付)で全国トップに躍り出る。2023年、「タワーK1ファンド」の運用を終了し、退社。

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