長野県須坂市のふるさと納税の産地偽装、シャインマスカットのほか梨やリンゴ・桃なども…20万件発送か。メールや文書でおわびをする方針

長野県須坂市のふるさと納税の返礼品のシャインマスカットに産地偽装があった問題で、市は8日、梨やリンゴなどの果物でも産地偽装があったと明らかにした。シャインマスカットでも新たな産地偽装が判明。いずれも和歌山県の業者が扱ったもので、こうした返礼品を受け取った可能性のある寄付件数は計約20万件にのぼる。市は該当者にメールなどでおわびをする方針だ。
市が市議会特別委員会で報告した。
産地偽装を行ったのは、同市のふるさと納税の返礼品を扱った「日本グルメ市場」。
新たな産地偽装は、同社が同市の返礼品の 梱包(こんぽう) や出荷などを行う和歌山県内と須坂市内の事業所2か所から発送された返礼品について、シャインマスカット以外の果物も含めて市が調べたところ判明した。同社が須坂市の返礼品の取り扱いを始めた2019年6月以降に発送されたものを調べた。
シャインマスカット以外の果物で他県産や県内他市産が見つかったのは、梨やリンゴ、桃、巨峰などのブドウで計約27トンにのぼった。
また、シャインマスカットでも新たに約22トンが県内他市産だったことが判明した。市がこれまで調査中としていた市内の事業所から発送されたものだった。
市は、産地が偽装された可能性がある計20万4369件の返礼品を受け取った該当者に対し、代替品の送付や寄付金の返還は行わず、メールや文書でおわびをする方針だ。
ふるさと納税の返礼品に産地偽装が見つかった場合、自治体は寄付金を返還するなどの対応をとるケースが目立つ。冷凍ウニの産地偽装が22年に発覚した北海道利尻町は該当者に対し、返金で対応。23年に鶏肉の産地偽装が判明した宮崎県都城市では、返金または代替品を送付した。代替品を希望する寄付者に対しては、返礼品事業者でつくる市ふるさと納税振興協議会が、物品調達や発送を同協議会の自己資金で対応した。
産地が偽装された返礼品を受け取った可能性がある該当者に返金などの対応をとらない理由について、須坂市は「特定するのが難しいため」と説明している。
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