
平嶋彰英(ひらしま・あきひで)/元総務省自治税務局長。1958年生まれ。81年東京大学法学部卒業、旧自治省(現総務省)入省。地方債課長、財政課長などを経て2014年自治税務局長。15年自治大学校長、17年立教大学特任教授、22年立教大学経済研究所研究員(現職)(撮影:今井康一)
寄付総額が1.1兆円、利用者数は1000万人を超えた「ふるさと納税」制度。60万品目以上にのぼる返礼品競争が過熱している。本特集では、巨額の寄付マネーの行方や税財政にもたらすひずみに迫った。
ふるさと納税制度をめぐり、当時官房長官だった菅義偉氏に徹底抗戦した、元総務省自治税務局長の平嶋彰英氏。その舞台裏と、制度が税制にもたらす歪(ひず)みについて聞いた。
──2014年当時、ふるさと納税の控除枠を約2倍に拡充するという政府の方針を聞いたときは、どう感じましたか。
当時、消費税率の引き上げに向けて議論をする中で、最後に残った論点が、(所得の低い人ほど税負担が大きくなる)逆進性の問題だった。それを軽減税率で手当てするのか、給付付き税額控除で手当てするのかという議論を重ねていた。その状況で、高所得者の節税対策になっていたふるさと納税で控除枠を2倍にするなんてことをやっていいわけがないだろう、というのが基本的な認識だった。
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