無添くら寿司公式Xのアカウントは5月1日、《ゲノム編集魚に関する情報について》と題したポストを掲載し、「一部のサイトやSNS等で、当社がゲノム編集を施した魚を取り扱っている、または使用を試みようとしているという誤った内容の投稿が広まっており、当社にもお問い合わせを頂戴しております。(略)当社では、ゲノム編集魚を一切使用しておらず、今後もその予定はございません」などと否定した。

そもそも前掲の記事で触れているくら寿司が立ち上げた新会社は、「オーガニックはまち」などの自社養殖を目的としたものでゲノム編集とはまったく関係がない。
FOOD & LIFE COMPANIESは、確かにベンチャーとゲノム編集魚の共同研究をスタートさせているが、気候変動の進展に伴う漁獲量の減少などを踏まえ、水産資源の安定的・持続的な確保を推進するためのもので、現時点では「すしネタとして導入するかは未定で、『社会のコンセンサス(合意、共感)を得られるかを注視する』」との立場だ(スシロー親会社社長、魚のゲノム編集「広げていくべき」 導入は未定/2024年6月19日/朝日新聞)。
食の安全保障に対する関心と健康への影響に対する不安
いずれにしても、くら寿司は誤った情報の被害を受けた格好であるが、近年、食品の安全性をめぐる話題は、真偽が不明なまま急速に拡散し、炎上につながることも多くなっている。
その背景には、農業や漁業などの食の安全保障に対する関心の高まりとともに、最近の「すき家」の異物混入騒動に典型的な健康への影響という身体の保全に直接関わるリスクに対する不安が増大していることが挙げられる。
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