トヨタは2023年8月、中国に持つ複数の研究開発会社を再編・統合してトヨタ知能電動車研究開発センターを設立。中国人エンジニアが主導する電動車の開発を本格化させた。

「かつて中国市場に導入されたトヨタ車はいずれもグローバルモデルで、中国人エンジニアの役割は(小幅なローカライズで)彩りを添える程度だった。そんな自分が、今は新型車開発のリーダーを任され、“ぬるま湯”を出て荒波の中に突入したような気持ちだ」
bZ7のRCEを務める葉志輝氏はそう話し、重責に対するプレッシャーの大きさをにじませた。
変革と伝統の両立図る
トヨタの説明によれば、現地開発体制を大きく変えた狙いは、中国の自動車市場および消費者ニーズの変化に素早く対応することにある。
RCE制度を導入したbZ3X、bZ5、bZ7はいずれもBEV(バッテリーだけを動力に使う電気自動車)だが、今後はPHV(プラグインハイブリッド車)やレンジエクステンダー型EV(航続距離を延長するための発電専用エンジンを搭載するEV)も中国市場に続々投入していくという。

こうした変革の推進と同時に、トヨタは自社の「良き伝統」も守ろうとしている。「トヨタの『安心・安全』に対する厳しい基準を満たしながら、中国市場の変化の速さとコスト競争の厳しさにも対応しなければならない」。bZ3XのRCEを務める柳文斌氏はそう述べた。
前出の葉RCEは、トヨタ知能電動車研究開発センターが(電動化やスマート化で先行する)中国メーカーの多数のクルマから学んでいると語り、次のように強調した。
「その目的は、彼らと同じものを作ることではない。新しい時代のトヨタ車を創り出すためだ」
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は4月20日
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