飲食業界の2025年度は倒産続きの「試練の年」に 石川県地盤の焼き肉チェーンが「負債8500万円」抱えて破産手続き入り
「じょうしょう」に限らず、焼き肉店の倒産は急増している。最新の倒産状況を見ると、2024年度は55件発生し、前年度から倍増した。2019年度の28件を上回って過去最多を大幅に更新した形だ。小規模な個人店の閉鎖や廃業も含めれば、実際にはさらに多くの焼き肉店が市場から退出した可能性が高い。

焼き肉店を取り巻く事業環境は、コロナ禍の焼き肉ブームを背景に異業種からの参入が相次ぎ、競争が激化している。加えて、高騰を続ける輸入牛肉や野菜などの原材料、人件費といった店舗運営コストを、メニュー価格(売価)にどこまで転嫁できたかが各社の明暗を分けた。結果として体力勝負の“消耗戦”に耐え切れず、中小零細規模の焼き肉店が淘汰され、倒産件数を大幅に押し上げた。
2025年度も中小零細企業の淘汰が進む
飲食業界に限らず、企業倒産件数そのものが増加基調ではある。2024年度の企業倒産は前年度比13.4%増の1万70件で、11年ぶりに1万件を超えた。特徴的なのが、大型倒産がごくわずかで、大半が中小零細規模の倒産だったことだ。
2025年度も、企業倒産が減少に転じる要素は乏しい。優勝劣敗の動きも広がるなかで本格的な「金利のある世界」を迎え、ゼロゼロ融資に伴う過剰債務の負担が重くのしかかる。本業の収益回復も遅れる中小零細企業の破綻が相次ぐことで、企業倒産は「緩やかな増加局面」が続く見通しである。
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