JR西日本株を自治体が「1億円分購入」その狙いは? 岡山県真庭市の太田市長に直撃インタビュー

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――しかし、現状の姫新線では重量貨物を輸送できないという指摘があります。

そうした指摘については、もちろん承知しており、重量貨物に対応するためには路盤改良が必要になります。貨物の話ではありませんが、例えば、姫新線でも兵庫県側の姫路駅から上月駅までは、県で予算を投じて改良工事を行い、列車のスピードアップなどを行ったところ利用者がV字回復するなどの効果を上げています。今後は、国防や災害対策を考える上では、予算を投じて路盤改良なども含めて考えていくことが重要になるとみています。

岡山県側でも、中国勝山駅から津山駅までを路盤改良や曲線区間の改良をするだけでも相当速くなると思っています。

また、世界的に見てマグニチュード6以上の地震の約2割が日本で発生している現実があります。そうしたことを念頭に置きながらも、長期的に日本という国をどう存続させていくのかという国家百年の計を考えなくてはいけません。

しかし、こうした鉄道の問題については、国土交通省がイニシアティブをとれるかと言えば、そうではない現実があることも課題と認識しています。国鉄時代は、前身の運輸省の答弁を国鉄が書いていたという話もあります。また、旧運輸省系の事業は、ハブ港にハブ空港、鉄道に観光とほとんどが失敗している感が否めません。最近は、観光の方は少しマシかもしれませんが。

太田市長とのインタビューはオンラインで行われた(写真:真庭市)

宮福線は重要な役割を果たしている

――鉄道ネットワークと言えば、国鉄時代には中国勝山駅と鳥取県の倉吉駅を結ぶ南勝線の建設が計画されていました。

南勝線については、当時の勝山町で起工式まで行ったのに国鉄改革で中止になりました。倉吉側はすでに国鉄倉吉線として山守駅まで開業していましたが、1985年にいち早く廃止され南勝線の計画は潰えてしまいましたが、真庭市の北部にある蒜山高原には倉敷市に次ぐ年間200万人の観光客が訪問しており、南勝線では蒜山駅が設置されることも計画されていました。

京都府庁時代には鉄道政策に力を入れていたことから京都丹後鉄道の経営にもかかわっていました。京都丹後鉄道の福知山駅と宮津駅を結ぶ宮福線ももともとは国鉄線として計画され、国鉄改革の影響でいったんは建設が凍結されましたが、第三セクター鉄道として開業させたことで京都・大阪方面と天橋立を結ぶ観光アクセス路線として重要な役割を果たしています。

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