対話型からエージェントへ 「生成AI」群雄割拠の最前線。オープンAI、GAFAM、中国勢……
これまで生成AIは、業務を支援するアシスタントという側面が強かったが、25年に入り自律的に業務を遂行するAIエージェントが登場して様相が変わった。先進的なIT企業では、AIエージェントを活用したソフトウェア開発が進められている。今後、一部の業務がAIエージェントに置き換えられる日も遠くはない。
この波に乗るのが、米国を中心とした主要プレーヤーたちだ。
オープンAIは、チャットGPTの進化版としてマルチモーダル機能や高度な推論能力を搭載したモデルを開発し、生成AI業界の最前線を走る。グーグルは(AIが処理するデータの単位を示す)トークンの処理能力において群を抜き、高速かつ低価格な生成AIを武器にシェア拡大を狙う。アマゾンから出資を受けるアンソロピックは、ソフトウェアエンジニアリング領域に特化し、PC操作や(クラウド上で管理・運用を行う)SaaSとの連携などで業務自動化を推進。メタはオープンソース戦略を採り、学術界や中小企業での生成AIの活用を後押しする。
「推論型モデル」が注目
モデルの知的能力では、各社しのぎを削っており、どの会社のモデルが「最も賢いか」を決めるのはもはや難しい。最近では「即答」よりもむしろ「熟考」、時間をかけてでも高精度な出力を目指す「推論型モデル」が注目されている。実際に、問題解決能力を競うランキングでは、即答型(非推論型)ではなく推論型のモデルが上位を独占している。

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