勝るのは「玉木首相への期待」か「玉木不倫党の悪名」か、与野党が入り乱れる"玉木争奪戦"の危うい実態
この“首都決戦”に玉木代表らが担ぎ出したのが、元NHKの人気アナウンサーである牛田茉友氏(39)だ。毎週日曜日放送の「日曜討論」でキャスターを務めていたことで、「知名度と人気は抜群なので、上位当選は確実」(選挙アナリスト)との見方が相次ぐ。
牛田氏は4月26日、渋谷区で行われた国民民主党の演説会で、同じく東京都選挙区に擁立された会社員の奥村祥大氏(31)と並んで街宣車の上でマイクを握り、「16年、アナウンサーとして社会のさまざまな課題に向き合ってきたが、伝えることだけでなく、変えることに関わりたいという思いが、今、ここに立っている原点です」と出馬に踏み切った理由を説明した。
過去に自民党からの出馬も取りざたされた牛田氏だが、今回、なぜ国民民主党を選んだかについては「(国民民主党は)『人づくりこそ、国づくり』を掲げ、孤独や孤立支援、ヤングケアラー支援など、今まであまり目が向けられてこなかった社会課題の議員立法を積極的に行っている。私もしっかり向き合い、声が届かない人の声を社会に届けたい」と、同党の政策への共感と評価の高さを挙げた。
東京都選挙区は各党の有力候補者がひしめき、固い組織票を持つ公明・共産両党の1議席獲得が有力視される。一方、自民党と立憲民主党は複数の候補を、さらに日本維新の会やれいわ新選組などが独自候補を擁立する構えだ。
そこに、これまで独自候補を擁立しなかった国民民主党が参戦することで、「有力候補の落選も十分ありうる状況」(選挙アナリスト)となるのは確実。「牛田、奥村両氏の得票が国民民主党の実力の証しともなる」(政治ジャーナリスト)のは間違いなさそうだ。
当面の課題は「有力候補者の確保」
玉木代表の最側近で党運営を仕切る立場の榛葉賀津也幹事長は、4月25日の記者会見で、一部で取りざたされている自公連立政権に参加する可能性について、「政策実現が思うようにならないから『チームに入って』というのはない。今の状況で連立入りはない」と、あえて否定的な見解を示した。
国民民主党にとっては、参院選での大躍進の前提となる多数の有力候補者の確保が課題となっている。「公募に応じる人数は急増しているが、当選目当ての人物が多く、国会議員にふさわしい経験や知識の持ち主は限られる」(選挙対策幹部)からだ。しかも、そこに一連の“不倫問題”が降りかったことで、「候補者選考が一段と難しくなった」(永田町関係者)。
いずれにしても、夏の政治決戦までの2カ月余りとなる中で国民民主党がさらに勢いを増すか、失速するかは、「『減税』をめぐる石破政権の対応や内閣支持率の推移など変動要因が少なくないので、直前までわからない」(政治ジャーナリスト)との声もある。
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