現在11代目「JALのCA制服」 動作性とデザインにこだわった知られざる開発の舞台裏

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歴代の制服には時代性や当時の思いが込められているだろうが、共通点は何か。

「やはり清潔感と信頼性だと思います。お客さまを大切な方としてお迎えするにあたり、制服はJALブランドの象徴。それを着ている私たちもJALを感じていただきたいという思いと、自分の仕事への覚悟もあり、身に着けた瞬間に気が引き締まります」

ちなみにリニューアルされると以前の制服はどうするのか。

「愛着はありますが、すべて会社に返却します。もともと貸与品ですし、バーコードで個別管理もされており、自由に処分することはできません」

海外では「JALの制服を見てほっとする」人も

現場作業に従事する作業員などを除き、多くの仕事で制服を着ることが少なくなった。

象徴的なのは事務職の女性職員だろう。官公庁や銀行といった職場でも服装自由化が進んでいる。男女雇用機会均等法が最初に施行されて来年で40年。ジェンダーレス、エイジレスもあり、経費節減の視点からも制服を廃止する企業・役所が増えた。

一方で着用者からは、「私服だと作業によって気を遣うので制服があるのは便利」という声も聞く。吉川氏はどう感じているのか。

「それぞれ考え方があると思いますが、JALの制服にはプロフェッショナルなサービスを提供する役目もあり、機内の特別感やわくわく感にも通じると思います。

特に海外の空港から日本に帰国する際は、『JALの飛行機や制服を見てほっとした』と話されるお客さまが多く、私たちも最初に『おかえりなさいませ』とお迎えしています」

日本語が通じず、生活文化も違う外国では細かいストレスがあり、緊張も続く。見慣れた光景は安心につながるだろう。これまでの取材では「不慣れな海外でスターバックスのロゴを見るとほっとする」という声も聞いた。

各地の空港を利用する人は、そんな脱日常感を味わってはいかがだろうか。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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