現在11代目「JALのCA制服」 動作性とデザインにこだわった知られざる開発の舞台裏

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従来型のワンピースもあり、当日の状況に応じて自由に選べるという。導入から5年たち、着用者の思いやお客の反応はどうか。

「着用したいスタイルを自分で選べるため、動きやすいパンツスタイルを選ぶ人も増えています。お客さまからは『素敵だね』という声もいただきます」

動作性にも徹底してこだわった

女性客室乗務員はワンピースまたはパンツスタイルのいずれかを自分で選び、ジャケットを着用する。

「フライトは往復で乗務するため、それぞれの便に合わせた制服を用意します。また現地の気候もあります。国際線なら例えばオーストラリアのシドニーは日本とは気候が正反対で6月から8月が冬になります。そうした環境も考えながら選んでいます」

制服にあるロゴマーク“鶴丸”は、機内に着席した乗客の目線からちょうどよい場所に見えるよう大きさも意識して配置した。客室乗務員の中で白い上着姿はチーフキャビンアテンダントだ。

2018年8月、全国から集まった客室乗務員が制服のデザイン画を見ながら率直な意見を出し合った。その中には「丈が少し短い」「お尻部分を隠したい」といった機能性への要望もあれば、「華やかさに欠けてJALらしさがない」という声もあった。

現在、海外を含めて客室乗務員は約7000人いる。世代や人種を問わず、すべての人に合うようにしたい。そこで細かく修正して作り上げていった。

2019年1月には出来上がったサンプル品を身に着けて、動作性のチェックも行った。「食事を提供する際に袖口が邪魔にならないか」「しゃがんだ時にエプロンの裾は長くないか」「荷物を機内上にある収納場所に入れる場合はどうか」など細かく確認。その状況をスマホで撮影して修正を依頼した。こうしたプロセスを経て、現在の制服が決定されたのだ。

スカイミュージアム
JALスカイミュージアムでは制服以外にもさまざまなものが展示されている(撮影:今井康一)
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