"東京ドーム4個分"の都有地が未処分・・・臨海副都心の誤算 構想が動き出して40年、巨大な「人工海上都市プロジェクト」は失敗だったのか
一般には「お台場」で知られる臨海副都心は2つの埋立地からなり、台場のほか、青海、有明北、有明南を含めた計4つの地区に分かれる。全体の面積は442万㎡で、東京ドーム94個分に相当する規模感だ。
エリア内には、都が都市開発を想定して民間事業者への売却などを前提に保有してきた都有地があり、青海と有明北地区にはまだ処分に至っていない土地が計約34万㎡分(2023年度末時点)存在する。
下図を見てほしい。青海地区の北側では、セントラル広場を取り囲むようにして存在する5つの大型区画のうち、複合施設の「ダイバーシティ東京」を除いた4区画が未処分地で、便宜的に駐車場やイベント会場として利用されている。東京テレポート駅(りんかい線)の両側に立地する都有地も、未処分のまま駐車場となっている。

東洋経済が青海の北側以外も含めた地区全域に存在する未処分地を集計したところ、計17.9万㎡分(2024年度末時点、暫定利用区画を除く)に上った。こちらも東京ドームに換算すると、約4個分の広さに相当する。
計画通りに進まなかった土地処分
開発余地を残す広大な土地が利用されていない状態は、一般的に考えて好ましくないはずだ。それにもかかわらず、なぜ青海地区には大規模な未処分地が存在するのか。

1997年に策定された都の「臨海副都心まちづくり推進計画」では、2005年度までにセントラル広場を囲む5区画を含めた青海における大部分の都有地で開発が進行し、2016年度以降は「すべての地区でまちが完成、発展していく」と楽観的に見込んでいた。
ところが実際には、土地処分は計画通りには進まなかった。過去の新聞報道などによると、2008年前後に一時開発が大きく前進しかけたものの、同時期に起きたリーマン・ショックのあおりを受けて動きが一気にしぼんだようだ。結果的に推進計画の想定年限から20年が経過した現在も、ダイバーシティ東京を除く4つの区画は開発が進んでいない状態が続く。
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