
「金の無駄遣い」で終わってしまった
――臨海副都心の整備が本格的に進んだ30年前は、かなり大きな批判にさらされたようですね。
青島さん(当時の青島幸男都知事)がたたく中心人物になり、(メディアの)全部がたたき派のほうに回りました。私なんかどちらかというと罪人みたいなもので、「この計画を作った人間はいったい誰だ」という言われ方もされました。
だけど、あるときにゆりかもめが開通し、どこかの新聞社が「お台場はカップルで揺られて行くと、とても楽しいのどかなよい場所だ」と書いたとたん、がらっと変わる。フジテレビができて、そこを舞台にしたテレビ番組や人気番組が作られると、一気に「行きたい場所」に変わった。かなり振り回されたと思います。
――結果的に、当初想定していたものとは異なる性質のものになっているように見えます。
青島さんが知事の時代に東京都庁で(構想の)見直しの懇談会があったのですが、まだ袋だたきになっているときでしたから、見直し派の言い分も感情的なところがあり、結局計画の根本を見直せずに今に至っています。
都議会やマスコミからは、「お金がかかりすぎる」という点が一番たたかれました。実際にかかった経費はわかりませんが、建設費がバブルで高騰し、見直すたびにどんどん上がりました。ただ、その分を差し引いても実は中身はよいことをやっているのですが、都庁も大きく反論しないから、「金の無駄遣い」で終わってしまった感がありますね。
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