大阪モノレール「車両検査」普通の電車とは大違い 引退間近の1000系04編成のメンテナンスに密着

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 建屋内での検査を終え、04編成が外へと出た。これから庫内ではできなかった、走行輪の溝の点検を行うという。車内に入ると、走行輪が見えるよう床にある点検口が開けられ、台車ごとに検修スタッフがスタンバイしていた。

「では、動かします」という車内放送の後、車両がゆっくりと動き、数十cmおきに停車。そのたびにスタッフが測定ゲージを当て、同時に表面の状態を目視で点検する。タイヤが1周したところで体勢を変え、今度は別のタイヤで同じ作業を繰り返す。検査結果は良好だったようで、点検口を元の状態に戻し、04編成は再び庫内へ。細かな調整を済ませれば、今回の周期検査は終了だ。

大阪モノレール 走行輪 点検の様子
走行輪の溝の状態などは客室内の点検口からチェックする。各車両に1人のスタッフが乗り込み、タイヤの状態を点検(撮影:伊原薫)
【写真30枚以上をすべて見る】関係者以外は入れない大阪モノレールの車両基地で1000系04編成のメンテナンス作業に密着。車輪やパンタグラフは「普通の鉄道」とまったく異なっていることがわかる。モノレールならではの特徴も

安全への意識は変わらない

一般的な鉄道車両とは異なる部分も多い、モノレールの車両検査。床下機器が作業場の床面から高い位置にあるため、苦労することもあるという。

「ですが、基本は変わりません。細部まできっちりと点検し、安全に運行できる車両を送り出すのが我々の使命です」。そう語りながら04編成を見る小田さんの眼差しは、真剣さと優しさが入り混じっていた。

《もっと知りたい》【関連記事】1990年の開業以来、大阪モノレールを支えてきた1000系6本のうち、最後に残る04編成の姿。角ばった無骨な印象の外観、アナログな雰囲気が残る運転台など車内もすみずみまで車両基地で独占取材
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伊原 薫 鉄道ライター

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いはら かおる / Kaoru Ihara

大阪府生まれ。京都大学交通政策研究ユニット・都市交通政策技術者。大阪在住の鉄道ライターとして、鉄道雑誌やWebなどで幅広く執筆するほか、講演やテレビ出演・監修なども行う。

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