大阪モノレール「車両検査」普通の電車とは大違い 引退間近の1000系04編成のメンテナンスに密着
周期検査では、タイヤの残厚も確認する。ただ、モノレールの走行輪は自動車用タイヤのようなスリップサインがないため、溝にデジタルゲージを差し込んで測定し、その数値で判断。側面にある案内輪や安定輪は溝もないため、代わりに設けられている穴のようなくぼみにゲージを差し込む。
「新品のタイヤは測定値が12.4mmで、これが3mmになる前、かつ走行距離が23万kmを超える前に交換する決まりです。前回検査の結果と照らし合わせながら交換のタイミングを決めますが、空転を起こすと減りが早くなりますので、ある程度の余裕を見てスケジュールを組んでいます」(小田さん)
モノレールならではの苦労も
モノレールのレールである軌道桁はコンクリート製と鋼製があり、滑り止めを施しているとはいえ鋼製の方が空転しやすい。特に雨の日はタイヤの溝が浅いと空転しやすく、それによってさらに溝が浅くなる……という悪循環に陥る。
また、大阪モノレールの車両は4両編成で、1編成あたり8台の台車があり、さらに1台の台車には走行輪4本と案内輪4本、安定輪2本の、合計10本のタイヤがある。1台の走行輪を交換するだけでも1日かかるため、少なくとも1カ月前には交換のスケジュールを決めているという。いずれも一般的な鉄道にはない苦労だ。
「その代わり、タイヤは鉄製車輪のようにフラット(急ブレーキなどによって車輪にできる傷。「ダン、ダン」という騒音の原因となり、乗り心地や線路にも悪影響を及ぼす)が発生しません。フラットをなくすための車輪削正作業も不要ですので、その点は楽ですね」(小田さん)

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