「犯罪を誘発する」「なんでそんなサービスを始めた」との声もあるが…。ウーバーが開始「13歳から注文可能」に現役配達員が感じたこと
僕はお客様に電話をかけた。電話に出たのは女性の方だった。その方は、かなり苛立っていた。もしかしたら僕が自宅周辺でウロウロしていたのを、リアルタイムで確認していたのかもしれない。その女性からは「私は今職場にいて、その食事は子供たちの夜ご飯なんですけど、早く届けてくれませんか」といったクレームを受けた。
ようやく見つかった一軒家で、インターホンを押すと中学生くらいの男の子が出てきた。
ものすごく大人な対応ができる男の子で、「配達ありがとうございました」とお礼を伝えられた僕は、「共働き世帯の子供はシッカリしてるなあ。やろうと思えば自炊とかも(YouTube見ながら余裕で)できるんだろうなあ」と感心してしまった。
このように今回の新サービスが始まる前から、未成年者に食事を届けるシチュエーションは多々あった。僕はウーバー配達員として7200回以上の配達を行ってきたが、小学生や女子高生に食事を届けたこともある。
共働き世帯やシングルマザーの方など、家庭の事情により自宅で食事を作れない方々が(遠隔操作で)ウーバーを利用することで、愛する子供たちへ美味しい食事を用意していたのだ。
ちなみにウーバー配達員として、同じお客様のところへ配達することはまれだ。ベテラン配達員の僕でさえ、同じお届け先へは過去に50件も配送したことがない。それぐらい、今では多くの人が活用しているサービスなのだろう。
Uber Teensで得られる情報などたかが知れていることを含め、過度な心配は不要ではないか……というのが僕なりの見解だ。
「配達員ガチャ」は今後アタリが当たり前になる?
それでも防犯面での不安があるという方は、(そもそもサービスを利用しないだろうという予想は置いといて)例えば配送方法を「置き配」に指定するなどの対策がある。
先日、出前館で商品にネズミが混入する事件が起きたばかりだが(詳細はこちらの記事を読んでほしい、害獣や昆虫などの混入リスクはゼロではなくなってしまうものの、それでも「置き配」は圧倒的に便利だ。
一人暮らしの女性の方などは、現行のサービスを利用する際も「対面」を避ける傾向があり、これをそのまま18歳以下の子供たちにも適応すればいい。
一方で、ウーバー配達員の中には「ハズレ」が混じっていることは周知の事実だ。ネットやSNSでは「配達員ガチャ」といった言葉も浸透している。とは言え、Uber Teensの配送は、高評価の配達員に限定されるため、サービスの質は担保されていくのではないか。
配達員の質を向上していくという動きは、実際、ウーバー運営にも見え始めている。
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