「稀代のダメ男」キャラから学ぶ “メタ思考”の真髄 読書は「自分を客観視すること」に繋がる

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また、文学・小説に描かれた登場人物と、現実世界で交流のある“どこかの誰か”が重なり合うおもしろさがあります。

現実の人間関係が文学・小説の世界と共鳴しながら、より深掘りされていくのです。

おすすめの書籍とともに、“学べるポイント”を紹介しましょう。

「ダメ男」キャラを読んで“不幸耐性”を上げる

太宰治は大作家でありながら、「類い稀なダメ男」としても定評があります。

何度も心中や自殺をしたり、左翼活動に関わって警察の厄介になったり、酒に溺れるわ、薬物依存になるわで、人生はたくさんの愚行で彩られています。

そんな太宰の生き方は、まじめに穏やかに人生を送りたい人にとって、何の参考にもなりません。

それなのに、いまも太宰に強烈に惹かれる若い人たちは多いのです。私も好きです。

なぜでしょう?

それはおそらく太宰が自身の人生を投影しているであろう作品を通して、太宰が生きた「人生の断片」を疑似体験したいからではないでしょうか。

学生たちがよく言うのは、「自分のなかにも太宰的なものがある」ということ。

太宰が代弁者のようになって、自分の言いたいことを言い、したいことをしてくれていると感じるようです。

つまり太宰の人生と作品を二重写しにして、さらに自分の人生を見ている。

そこにメタ思考が働き、自分の人生に対して客観的になれる、というわけです。

太宰の作品のなかでも、とくに『人間失格』がおすすめです。

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