「辞めるなら、黙って辞めてくれ」感情的な一言が離職の連鎖を招いた コンサルタントが見た実例3選「何回送別会やれば気がすむんだ!」

離職を防ぐために求められる力についてお伝えします(写真:kou/PIXTA)
今、多くの企業が人手不足に悩み、離職を防ぐことは喫緊の課題となっています。
そんな中、複数の人が立て続けに辞める離職の連鎖が起きるケースがあります。人手不足の状況における離職の連鎖は、経営の致命傷となり得るものです。
そこで今回は、経営心理士として1200件超の経営改善を行い、経営心理士講座を主宰する、一般社団法人日本経営心理士協会代表理事の藤田耕司氏の著書『離職防止の教科書――いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版』から一部を抜粋・再編集し、離職の連鎖の3事例と必要な対応についてお伝えします。
上司の一言が原因で4人が離職
私は経営心理士、公認会計士として人間心理に基づいた経営を行う経営コンサルティングをしています。
今、最も多いご相談が離職に関するものです。
その中で離職が連鎖し、事業に大きな支障が生じた悲惨な事例もいくつか見てきました。今回は離職の連鎖が起きた3つの事例についてお伝えしたいと思います。
また、その事例から離職を防ぐために求められる力についてもお伝えします。
あるITコンサルティング会社では、「今日中に対応してくれ」「3日以内に終わらせてほしい」といった顧客からの過剰な要求に対して、現場のスタッフが無理やり対応させられている状況でした。
その働き方はもう限界だと、ある女性スタッフが現場を代表して上司に直談判します。
「今のような無茶ぶりが続く働き方はもう無理なので、このままこの仕事を続けるのは難しいです。仕事の振り方をもう少し改めてもらえませんか」
そこから彼女は、受けられる仕事の基準の決め方、スタッフへの仕事の振り方について提案をします。
その提案を聞いた上司はイライラしながらこう言いました。
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