「とりあえず洗える服」を買う人の残念すぎる盲点 オフィスカジュアルの広がりでTシャツやデニム素材もOKだからこそ考えたい「服選びの原点」

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縮小

一方、洗濯機で気軽に洗えることで選ばれがちなのが、ポリエステルです。確かにポリエステルはシワになりにくく、縮みや型崩れが起こりにくいですし、耐久性に優れていて洗濯の手間が少ないというメリットはあります。

しかし、疎水性で水を吸いにくい繊維なので汗などを吸収しにくく、着ていると蒸れて不快になることもあります。また、洗って形が変わらないということは、すなわち着用中も動きに合わせて形が変わりにくいということですので、その結果、体が疲れやすくなります。

そのため、今はポリウレタンなどの素材を混ぜて伸縮性をもたせていますが、ポリウレタンが入っていると、素材の性質上2〜3年ほどで伸縮性に限界が来て劣化が生じ、着られなくなることがあります。

ほかにも、吸湿速乾機能を持ったポリエステルは繊維に物理的に穴を開けることで、水分を吸収させますが、元々が水を吸いにくい繊維なので、吸収できる水分には限界があり、汗をかくことが多い職場や作業になるほど不快になりやすいです。

つまり、洗えることを最優先にして衣類を選ぶと、着ているときの快適さや見た目の印象が二の次になってしまう可能性があるのです。どんな場所で、どう着たいのか。それに応じて素材を選ぶことをビジネスウェア選びの基本としたほうがいいのです。

そして、こうして選んだビジネスウェアの多くは日常的な洗濯ではなく、クリーニングによる手入れが向くものが増えます。

それは、クリーニングのほうがキレイになるとか優れているからということではなく、“目的が違う”のです。洗濯は清潔を保つための手段で、クリーニングは色や形、風合いを保つための手段。それぞれの特性を理解し、服に合ったケアを選ぶことが必要ということです。

ビジネスで着る服が見た目の印象や仕事時の快適さ、信頼感を支えるために存在していると考えれば、その着る目的から考えると日常の洗濯だけでは維持が難しく、適切なタイミングでクリーニングを活用するのが基本になります。

着数を持つことは無駄ではない

ビジネスウェアをきちんと着こなすには、「着回し」も大事です。

同じ服を着続ければ、当然ながら早く傷みます。汗や湿気が抜けないまま再び袖を通すことで、臭いやヨレも出やすくなります。できれば、春夏と秋冬でそれぞれ5〜7着のビジネスウェアをそろえて、1週間ローテーションできる状態を作りましょう。

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