服を長持ちさせるための家庭でできるケアは、基本的には「着たら休ませる」、これだけで十分です(ただし、Yシャツなどは毎回洗います)。そうすれば1着1着が長持ちし、クリーニングに出すタイミングも確保できます。
「そんなに何着も持つのはもったいない」と感じるかもしれませんが、見た目の印象や服の寿命、毎朝の身支度のストレスなどを減らせるという点で、メリットが大きいです。
また、着数が適正であれば、クリーニングの頻度も自然と下がります。たとえば、週5日勤務に対して5〜7着を持っていれば、1着当たりの着用頻度は月に数回程度になります。そのくらいの着数であれば、クリーニングは月に1回〜シーズンに1回程度で十分です。
つまり「たくさん着るから、たくさん洗わなきゃいけない」ではなく、「着数をそろえておけば、無理なく適切な頻度でメンテナンスできる」のです。
一方で、素材やデザインなどで洗濯に向かない服を家庭で無理に洗濯してしまうと、次のような負の流れに陥ります。
<洗濯に向かない服を家庭で洗濯→ 汚れが落ちない(と感じる)→ 頻繁に洗濯する→服の形が崩れる→服の買い替えが頻発する>
洗濯に向かない服を洗濯で回収しようとすると、一見コストは安いように見えても長期的に見ると、高いコストを払うことになりかねないのです。
服は使い捨てるものではない
着数をそろえ、着回して適切にケアしていけば、スーツであれば30年以上着ることも可能です。今は数年ごとに買い替えるのが普通になっていますが、実は、きちんと手入れをすれば、服は本来、何十年も着続けることができるものです。
「そんなに長く同じ服を着たくない」という人もたまにいますが、本当に“コスパがいい”服は、長く着ても古びて見えません。
服は消耗品ではないとわかると、服を買うときの選択肢も変わってきます。たとえば、オーダーメイドでスーツを作ることなどもその1つです。
今の「服=消耗品」という感覚では、オーダーは無駄なものに見えるかもしれません。ですが、オーダーが「高い特別な服」と思われるのは、服を短期で買い替える前提があるからです。
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