増えまくる《訪日観光客》をデータで分析する 「いつから増えたのか」「日本人旅行者とインバウンド旅行者の行き先の違い」

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インバウンド データ
※写真はイメージです(写真: Fast&Slow / PIXTA)
アイデアや仮説を引き出すデータ分析の極意。それは初期段階から「思考のためのグラフ」を描くことにあります。計量経済学・データ分析の専門家であり、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)上席研究員の小西葉子氏が上梓した「答えはデータの中にある リサーチャーが永く使えるビジュアル分析手法」から一部抜粋・再構成してお届けします。

コロナを経た旅行者の変化

日本経済の中で、最近需要が高まり、景気に好影響を与えているものの1つは間違いなくインバウンド市場です。コロナ後、急激に訪日旅行者は増えていますし、増加のスピードも、好みの変化も速く、ビジネスチャンスが多分にあります。

しかも、コロナ禍の出入国制限で、一般の観光客が入国できなくなるという自然実験のような環境にもなりました。ここでは、大きな構造変化が起こった場合におけるグラフの描き方の工夫を紹介しながら、コロナ前から、コロナ禍、コロナ後の旅先の変化を見ていきます。

まず、図31で2003年以降の日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数の推移を見てみましょう。

※外部配信先では画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

インバウンド データ
日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客統計」を使用

期間を2003〜2014年、急増している2015年からコロナ前の2019年、コロナ禍からコロナ後の2020年以降の3色に分け、エクセルのツールでそれぞれに近似直線を引きました。

2003〜2014年は近似直線の水準も傾きも2015年以降よりかなりフラットになっています。2011年は東日本大震災の影響で、2010年より少なくなりましたが、その後は震災前のペースで増えていることがわかります。

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