トランプ大統領の相互関税、予定通りに全面発動-100年強ぶりの高税率に

トランプ米大統領が先に発表したいわゆる「相互関税」が、米東部時間9日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)に予定通り全面的に発動した。世界の貿易秩序を大幅に塗り替える取り組みを推進するもので、世界経済に多大な打撃が及ぶ見通しだ。
米国への全輸出国・地域に基本税率10%の関税を課す措置が5日に発動後、今回は対米貿易黒字の大きい約60カ国・地域を対象とした上乗せ税率が適用されるもので、日本への関税率は24%、中国に対しては計104%となった。
中国以外のアジア諸国も大幅な上乗せ税率の適用対象となり、カンボジアは49%、ベトナムは46%となっている。欧州連合(EU)からの輸入品には20%の関税が課される。
100年強ぶりの高水準に
米国の関税率は100年強ぶりの高水準に引き上げられ、他国・地域が報復措置に踏み切れば、全面的な貿易戦争につながる恐れがある。
相互関税の全面発動を受けて、米国債相場は下げ幅を拡大。30年債利回りは一時25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、5.018%を付けた。アジア市場の株価は中国株など一部を除き9日までの5営業日で4度目の下落となり、S&P500種株価指数やナスダック100指数などの米株価指数先物も下げた。