【マンガ】「LGBTQ+」当事者の元女子サッカー選手が伝えたいこと ジェンダー平等を実現するために必要なこととは?

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また、いまだ多くの女の子や女性がパートナーからの暴力の被害を受けているのも事実です。そして、女性だけではなくLGBTQ+の人たちも、さまざまなシーンで差別や暴力を受けやすい立場にあります。

このようなジェンダー不平等の状況を打開するためには、その背景にあるジェンダー規範(女/男はこうあるべき)や、ジェンダー不平等を生み出している法律や社会制度、社会構造を変革していく必要があります。

ジェンダーだけではなく、さまざまな差別に目を向ける

このような取り組みは「ジェンダー・トランスフォーマティブ・アプローチ」とも言われます。現在差別や暴力を受けている人たちへの不平等な状況を改善するだけではなく、女性やLGBTQ+の人たちの社会的地位の向上や政策決定の場に参画していくことが大切です。

性のあり方にかかわらず、自分の人生を自分で決め、未来を切り拓く力を高め、お互いを尊重し合い、暴力ではなく対話によりポジティブな意識・行動に変えていくアクションが必要なのです。

そのためには、男性の「エンゲージメント」も大切だと言われています。
男性がジェンダー平等に積極的に参加し、暴力ではなく、ポジティブな行動を促進し、ジェンダー平等の担い手になっていくことも重要視されているのです。

『となりのLGBTQ+ ~それぞれ「性」のあり方を自分らしく生きる14人の物語~』
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そして、ジェンダーだけではなく、人種や障がい、年齢といったさまざまな差別に対しても、目を向けていくことも重要となります。インターセクショナリティ(交差性)と言って、さまざまな差異により生まれる力関係にも注目する必要があります。

たとえば、両親により育てられた日本人のシスジェンダーのゲイ男性と、ひとり親で外国籍のトランスジェンダー女性では、日本社会での立ち位置や差別・抑圧の状況も異なるという視点を持つことです。

また、内閣府とガールスカウト日本連盟は、固定観念にとらわれず、多様性を認め合えるようになることなどを目的に、中高生向けオンラインプログラム「me and them」を提供しています。ジェンダー平等について学ぶ機会の充実に期待しています。

参考:内閣府・ガールスカウト日本連盟「me and them」https://www.girlscout.or.jp/meandthem/
染矢 明日香 NPO法人ピルコン理事長

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そめや あすか / Asuka Someya

公認心理師。日本思春期学会性教育認定講師。思春期保健相談士。公衆衛生学修士。慶應義塾大学SFC 研究所上席所員。 慶應義塾大学在学中にピルコンを設立し、民間企業に勤めながら2013年ピルコンをNPO法人化。 医療従事者など専門家の協力を得ながら、大学生・若手社会人のボランティアと共に中高生向け、保護者向けの性教育・ライフプランニングを学ぶ講座や啓発イベントを行なってきた。 現在は、性教育についての講演や情報発信、性教育教材の開発や普及、性教育に関わるサイトやコンテンツの監修などを行なう。また、政府への政策提言もしている。

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