【A90ファイナルエディションの価格は1500万円】トヨタ「スープラ」終幕へ。セリカXXからの歴史、BMWとの共同開発による復活劇を振り返る

1993年の4代目になると様相が変わる。その4年前となる1989年に、日産自動車から「スカイラインGT-R」が16年ぶりに復活し、高性能車の定義が一変した。単にエンジンの馬力だけではなく、操縦安定性を含め、異次元の速さを追い求める時代になった。また、ドイツのニュルブルクリンクで性能を鍛え、高めるという手法が注目を集めるようになった。

スープラは、後輪駆動を堅持しながら、高性能を主張する高さのあるリアウイングを装備するなど、GT-Rとは違った姿で性能を追求する意思がうかがえた。とはいえ、スープラにはまだ、GT-Rのような伝統や伝説が不足していた。GT-Rの競合とはなりえなかったのである。
ここで、スープラの歴史は一旦途切れることになる。そして17年後の2019年に、5代目としてスープラが復活した。
BMWとの共同開発で復活を遂げる

空白期間となる2012年に、富士重工業(現・SUBARU)と共同開発したトヨタ「86」が誕生した。ライトウェイトスポーツと称し、手軽に運転の醍醐味を味わえる2人乗りのスポーツカーだ。同様のコンセプトを持つクルマにはマツダ「ロードスター」がある。マツダにできて、なぜトヨタにできないのかとトヨタ自身、自問自答してきたが、SUBARUと共同開発することにより、200万円台で買えるスポーツカーが実現したのだ。
この手法は、スープラでも活用された。BMWと共同開発することにより、復活が成ったといえるだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら