【A90ファイナルエディションの価格は1500万円】トヨタ「スープラ」終幕へ。セリカXXからの歴史、BMWとの共同開発による復活劇を振り返る
セリカが、直列4気筒エンジンを活かした俊敏な走りをもたらしたのに比べ、セリカXXは直列6気筒ということから車体全長も長くなり、大排気量車らしく重厚な運転感覚であった。セリカという名を冠しながら、別のクルマの趣があった。発端が北米での要望に応えることであったため、アメリカ車的な大らかな贅沢さを覚えさせた。
1981年に、セリカXXは2代目へモデルチェンジする。同じ年には、高級スペシャリティカーとして「ソアラ」が誕生した。ソアラは高級さだけでなく、液晶のメーターなど今日に通じる先進技術を採り入れた独自の存在で、一躍、憧れのトヨタ車の地位を築いた。
そこでセリカXXは、よりスポーティな位置づけとなっていく。たとえば、リトラクタブル式のヘッドライトであることも、外観のことではあるが、優美さを見せるソアラと違った、他社でもスポーツカーで人気を集めたライト方式により、走りを優先する個性を見た目に明らかにした。ただ、運転感覚には重厚さが残り、俊敏なスポーツカーという印象は薄かった。
3代目から国内でもスープラという車名に

1986年の3代目から、日本でもスープラの車名で販売される。宣伝では、トヨタ3000GTと表現し、1960年代のトヨタ2000GTを思い出させる訴求が行われた。
国内で人気を高めつつあったグループAレースに出場し、ドライバーに元F1チャンピオンのアラン・ジョーンズを起用するなど、スポーツに対するトヨタの並々ならぬ意欲を感じさせた。リトラクタブル式ヘッドライトの継承や、リアハッチバック部分をサイドウィンドウと連なるガラス構成にするなど、単に機能に徹したスポーティ車ではなく、上級さを覚えさせる商品性がスープラの魅力となっていた。
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