【48歳タイミーさん】クリスマス前にはじめての洗い場→ピークタイムの皿の量に“パニック”になり、《ベテラン調理師の手捌き》に見惚れるの巻
パニックになった私とバトンタッチした超人
その後、夕食時のピークタイムになってお客様は徐々に増え、オーダーも次々と入ってきた。もう調理師さんと雑談するような余裕はない。作っては提供し、作っては提供しと、慌ただしく動く厨房内。
返却口に返される食器類のペースも上がってきた。
「どんどん片付けてやるぞ!」と気合いを入れ、お茶碗などのご飯ものはシンクの水に沈め、ステーキのプレートはタワシでこすり、他の皿は次々に食洗機に入れ、洗浄する。
そして洗い終わったものからどんどん片付けていく。
しかし、いつの間にか私が食器を洗うペースよりも、返却口に食器が運ばれるペースの方が早くなり、どんどん食器類が溜まっていく。ヤバい!
「ご飯類はシンクに…」と言われたから、シンクの中は茶碗類でもうパンパン。まずこの茶碗を洗わなきゃと思って食洗機に入れると、また別のものが返却口に返ってくる。全く追いつかない。そこに洗浄後の皿を返却しに行くなんて無理だ。
と思っていたところに、大量のバットやホテルパン、ボールやフライヤーの網といった厨房器具がドカドカと到着。ああ、これは一体どうすれば……。
洗い場で悪戦苦闘しているうちに、終了時間の21時になった。
「この後は私がやっておきますから、上がって下さいね。ありがとうございました」
女性の調理師さんが来て、皿だらけになった洗い場を引き継いでくれた。
いきなり、私がしていた作業スピードの5倍くらいの速さで次々と片付けていく。
両手をフルに使い、大道芸人のお手玉のように自由自在に動く食器類。食洗機を常に稼働させ、全く無駄のない作業。私には超人に見えた。
一瞬でも「洗い場の才能あるかも」なんて思った自分が猛烈に恥ずかしくなった。食洗機の性能と、従業員の皆さんの優しさに甘えていただけだったのだ。
帰りの送迎ハイエースの中。街には素敵なクリスマスソングが流れているけど、私の頭の中には食洗機の「ビー」というブザー音がこだましていた。ちくしょう。
この日の労働では、時給1020円の3時間、交通費200円で、3260円が支給された。

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