蔚来汽車のライバルは、事業損益に関しても黒字化をすでに達成するか、近い将来の黒字化を射程に入れつつある。
理想汽車は(新興メーカー群の先陣を切って)2023年に通期黒字化し、2024年の決算でも黒字を確保した。零跑汽車は2024年10~12月期に初の四半期黒字を実現。小鵬汽車はまだ赤字だが、2024年の通期純損失は57億9000万元(約1191億円)と前年の半分近くに縮小しており、2025年10~12月期の黒字化を見込む。

それらとは対照的に、蔚来汽車は赤字縮小への確かな見通しを示せていない。同社は「EVの研究開発から製造、販売、アフターサービスまで総合的にコスト削減を推進し、2025年10~12月期の黒字転換を目指す」と説明するが、説得力に欠ける。
ニューモデルに期待託すが…
そんな厳しい状況のなか、蔚来汽車は今後投入するニューモデルに巻き返しへの期待をかけている。
蔚来ブランドについては、新開発の大型高級セダン「ET9」の納車を3月末に開始するほか、4~6月期にはスポーツセダン「ET5」のマイナーチェンジを実施。さらに、年後半にもニューモデルを追加投入する計画だ。

楽道ブランドからは4~6月期に第2号モデル、10~12月期に第3号モデルを発売する。また、4月には第3ブランド「蛍火虫(Firefly)」から第1号モデルのコンパクトカーを投入する予定だ。
これらの新車効果により、蔚来汽車は2025年の販売台数を前年の2倍の44万台に引き上げたいとしている。だが、新車の投入準備にかかる多大な費用を確保できるのか、先行きは不透明と言わざるをえない。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は3月22日
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