まず前提条件として、都区部の人気エリアを中心に年1000万円の価格上昇は珍しくない。このため、現状の含み益は膨れていくばかりだということだ。3000万円・6000万円の控除額はすぐに使い果たしてしまう。そんな状況下では、不動産での資産形成はアグレッシブなほうがうまくいくと筆者は考えている。多様な方法を提示するので、自分はどれにするか考えてみてほしい。
住み替えの方法
原則① 5年以内でも譲渡所得金額が控除3000万円の範囲内で住み替え
譲渡所得控除は条件を満たせば2年経過で何度でも使うことができる。ゆえに、3000万円に達しそうなら、住み替えていく方法だ。控除後の課税金額がゼロなので、短期譲渡の税率の高さを気にすることもない。夫婦で6000万円の控除があるパワーカップルなら、この範囲でもいい。
私は独身者にも自宅購入を勧めているが、こうした独身者や引っ越しがあまり苦でないミニマリスト(必要最低限の物だけで暮らす人のこと)も利用できる方法である。年収1000万円でも、譲渡所得が毎年1000万円発生するなら、実質年収は2000万円になる。立派な確定申告者である。
原則② 5年・10年経過したら、住み替え
譲渡所得金額がいくらかは毎年確認するにしても、頻度高く引っ越しをするのが難しいなら、税率が下がったタイミングが最もお得になる。なぜなら、譲渡所得金額が増え続ける中で税額が減るタイミングがそこしかないからだ。そこで気を付けることがある。5年と言っているが、正確には購入後6回目の1月を待つことになるので注意しよう。
原則③ 譲渡所得金額が6000万円を超えたら、積極的に住み替え
10年経過して譲渡所得金額が6000万円を超えたら、もう軽減する方法は何もない。増えていく利益に約20%の税額は必ず発生する。それなら、引っ越して新たに持ち家を取得して、譲渡所得控除3000万円を手に入れるしかない。ペアローンなら、最大6000万円になる。
これを実行するには、それ以外のことにも考慮する必要がある。例えば、次にどんな物件を購入するか、その際にローンを組むべきか、相場が上昇しているので売るのはもったいない気がするとか、疑問は湧いてくる。それは次回にまとめてご自宅戦略としてまとめよう。いずれにしても、まずは含み益がどれくらいあるかを確認することから始めよう。
次回記事:"港区タワマン暮らし"を卒業…マンション高騰時代の「終の棲家」戦略
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