東北が生んだ「究極のお土産」の意外な実力 復興庁主催の品評会はバイヤーで大賑わい

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岩手県産のサバ缶詰。黄色いラベルでひときわ目を引く

オイシックスなど大手食品企業が参加する復興支援組織「東の食の会」と連携して震災後に新たに国産サバのオリーブオイル漬け缶詰の開発を手掛けたのが、岩手県内の第三セクター「岩手県産株式会社」だ。「Ça va(サバ)?」(フランス語で「元気?」)と青い字で書かれた真黄色のラベルが目を引く。製造は津波被害が大きかった岩手県沿岸部の水産加工会社が担当。都内にある岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」を発信基地にして、大手スーパーの復興イベントなどでも販売実績がある。

品評会の会場では小泉大臣政務官もブースに立ち寄り、「僕の家にも置いてあって、いつも食べている。この商品は販路開拓に成功しているね」と太鼓判を押した。

絵本とのコラボ、口コミでチャネル広がる

自社の復興への努力が『きぼうのかんづめ』という絵本になった宮城県石巻市の木の屋石巻水産も、震災後に開発したサバの缶詰「金華さば味噌煮」を出品。震災前にスーパーなどが中心だった販路は、絵本とのコラボや口コミなどにより、書店や寿司店、通販チャネルにも広がった。「震災後に売り上げは4分の1以下にまで激減したが、国や県の補助金、全国からの支援のおかげでようやく震災前の水準に戻すことができた」と同社の鈴木誠・営業2課長。新たに工場も稼働し、飛躍への手ごたえを感じている。

「究極のお土産」の栄冠に輝いた斉吉商店の斉藤和枝専務(中央)

今回、サンマの佃煮「金のさんま」が「究極のお土産10選」に選ばれたのが気仙沼市の「斉吉商店」。工場が全壊して仮設での操業を続けているが、震災時には社員が秘伝のたれを津波から守り抜いた。

現在、同社は三越や東武百貨店、阪急百貨店などの食品展にも立て続けに出展を予定するなど、受賞を機に大きく販路が拡大している。

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