「自分は単なる“組織のコマ”…」と感じている人へ、会社という組織を「味方につける」にはコツがある!組織を「チーム」に置き換えると?

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ミスやクレームが生じた場合、上司が責任を負って対処するのが通常の組織のシステムです。

まあ、なかには適切な対処をしてくれない上司もいるでしょうが、それでも部下にすべてを押しつけて、何の手も打たない人はいないはず。しかりつけることはあるにしても、最終的にはカバーしてくれます。なぜなら、ミスの処理も含めた部下の管理は上司の職務、そして上司の責任だからです。

つまり、組織に所属し、上意下達の命令系統のなかで仕事をするということは、同時にミスをしてしまってもカバーしてもらえる、いざというときフォローしてもらえる、ということでもあるのです。

先ほど例に挙げたサッカーなどは、まさにそうですよね。

ボールを奪われても、別の人が奪い返そうと動く。1点取られてしまっても、みんなが2点を取り返そうと力を合わせる。

「自分はゴールキーパーだから、点を取ることなんて知ったこっちゃないよ」

「ボールを奪われたのは君なんだから、自分で取り返しなよ」

こう言う選手はいませんよね。みんな進んでカバーしようとするはずです。

「カバーこそがチームワーク」

2020年東京オリンピック招致委員を務め、当時ミズノの会長だった水野正人さんと話をした際、「チームでは何が一番大事ですか」と尋ねたことがあります。

すると水野さんいわく、「それはカバーです」と。

「たとえば野球の場合、三遊間に飛んだゴロをショートがキャッチしファーストに投げる。同時に、必ずほかの選手がファーストの後ろに回ってカバーに入る。これが素晴らしい。これがないとゲームにならない。野球というのはすべてカバーなんです」

水野さんはそう言っていたのです。

人がミスをすることは十分ある。いや、むしろそれは起きて当たり前。だからエラーが起きることを前提として動く。カバーがいるからこそ、安心して全力でプレイできる。つまり、「カバーこそがチームワーク」というわけです。

スポーツ雑誌でこんな記事を読んだこともあります。

中日ドラゴンズに荒木雅博選手という名セカンドがいました。チームメイトがその荒木選手を賞するに、「いつも全力疾走でカバーに行っていた」「あの全力疾走がすごい」と。

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