北海道から東南アジアへ渡った機関車「DD51」の今 熱帯の地で50歳を迎えた彼らの「第二の人生」

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帰国後、ディーゼル機関車のメンテナンス経験を持つ人とも知り合った吉村さんは、2019年から継続的な支援を実施。交換部品の調達や技術支援にかかる費用を集めるべく、クラウドファンディングも行い、目標を大きく上回る金額が集まった。2両のDD51が今も元気に走っているのは、日本人鉄道ファンと現地スタッフの熱い思いの表れと言えるだろう。

AS社が手掛ける複線化工事は、2025年初頭にほぼ完了。タブレット閉塞は姿を消し、輸送力も飛躍的に向上した。

ここで気になるのは、2両のDD51の今後である。しばらくはノンプラドックに常駐し、追加の作業などに備える一方、同社はタイ北東部で同様の複線化工事を手掛けることになっており、そちらへの“転勤”も予定されている。離れ離れとなるかもしれないものの、まだまだDD51を使い続ける方針とのこと。吉村さんを中心に、クラウドファンディングを活用した支援も続いており、今後もその活躍に期待したい。

タイに渡ったもう1両のDD51

ところで、北海道からタイへと渡ったDD51は、実は3両ある。もう1両は1143号機で、こちらは2016年に廃車されたもの。前述の2両がタイへ渡った後も長らく北海道の港におかれていたが、2024年末に船積みされ、タイへとやってきた。

同機はその後、バンコク近郊にある工場で整備を実施。1137号機と1142号機が「北斗星カラー」を維持したのに対し、1143号機は白地に赤色と青色の帯が入れられた。この塗装は、タイと国境を接するラオスの鉄道公社が、両国間を行き来する貨物列車の入換用ディーゼル機関車と同一である。

整備中のDD51 1143号機
バンコク郊外で整備中のDD51 1143号機。この後”ラオス国鉄色”となった(撮影:伊原薫)
【写真の続き】バンコク郊外で整備中のDD51 1143号機。車内は日本時代のままだ
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