たかまつなな「高齢の高所得者はもっと負担を」。若手社会起業家の年金部会委員が提言

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──年金改正の課題は。

今の年金制度がうまく伝わっていない。5年に1度の財政検証でさまざまなケースを想定し、将来の給付が大きく減らないよういろいろ考えられている。障害者になったらもらえる年金、遺族になったらもらえる年金もある。

ただ、年金制度は複雑だ。納得感や理解を得るのは難しい。厚労省には年金の広報をする部署がある。学生との対話集会を開催しているが、改正が必要な有事の今は、もっと多様な広報をするべきだと思う。将来の年金が不安だという人に正しい情報を届ける努力は、メディアにも求められている。

在職老齢年金制度の見直し議論

──上の世代に理解してほしいと思うことは。

今回の年金部会では、(65歳以上で賃金と年金の合計が月50万円を超える人の年金はカットするという)在職老齢年金制度の見直しが議論された。カットされる人を少なくしようという方向の議論だ。しかし私は現行制度のままでいいという意見を述べた。自分で働き生活に余裕のある高齢者への給付は抑え、その分を将来世代に回し、世代間格差をなくしていくべきだ。

さらに言えば、より高額な収入を得ている人やより多くの金融資産を持っている人には、もっと負担していただき、将来世代の給付に回すことを検討すべきだと思う。

いろいろな人生経験をしてそれだけの収入や資産を築かれた方なら、今の若者がどれほどの生きにくさを抱え、子育てがどれだけ大変かを理解できると思う。その分、もう少し考慮していただけませんかと言えば、全員とは言わないが、わかってくださる方が結構いらっしゃるのではないかと思う。

(聞き手:福田 淳)

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福田 淳 東洋経済 記者

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ふくだ じゅん / Jun Fukuda

『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などを経て編集局記者。

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