25年の東大地理で出た「今までにない問題」 なぜこんな問題が出たのか?出題意図を考える

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この問題のすごいところは、自分でその解決策を考えたうえで、その解決策に対して自分で反対意見を考えなければならないという点です。「こういう解決策があると思うが、しかしこういう反論も想定できる」というポイントまで書かなければならないわけです。

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小論文の問題として、であれば、同じような問題は考えられるかもしれません。

しかし地理の問題として出題されているというのは、今までにない画期的な問題だったと言えます。

御上先生の最終回のセリフ

さて、話は変わりますが、僕は日曜劇場『御上先生』の教育監修をさせていただきました。その最終話で、御上先生はこんなふうに言いました。

「考える力とは答えを出す力じゃない」

「考えても考えても、答えが出ないことを、投げ出さず考え続ける力だ」

この言葉の通り、「答えを出す」だけが思考力ではないのです。「答えを出したうえで、それをしっかりと疑うこと」も含めて、思考力だと言えるのだと思います。

解決策をただ考えるだけではなく、その考えた解決策に対してしっかりとアンチテーゼを考え、反論がないかまで考える。これこそが、思考力の本質なのではないでしょうか。そしてそれを問うために、東大はこの問題を出題したのではないか、と考えます。

この思考力の本質については、漫画『ドラゴン桜』の中でも登場しています。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

(漫画:©︎三田紀房/コルク)
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