「予約したいのにできない」「値段が高すぎる…」中には7万円超えのすし屋も "超高額"、"予約困難店"が増え続ける根本的な理由
では、予約困難店や高額店の未来はどうなっていくのであろうか。
飲食店はもともと営業利益率が10%もあればよいほうといった業態であり、人手不足も慢性化している。高額化することによって、飲食業界に夢が持てるようになり、スタッフが仕事に見合う報酬を得られるようになるのは、決して悪いことではない。
ただ、一般の人には届かない存在となり、日本の飲食店の発展が妨げられることになるようにも思える。
2019年に発売された「ミシュランガイド東京2020」では、三つ星の「鮨さいとう」「すきやばし次郎」が非掲載となった。調査員は一般客と同じように予約して食事し、支払いを行う。そのため、予約が不可能な店は調査を断念するしかない。
過度なキャンセルポリシー
また、過度なキャンセルポリシーも懸念される。たとえ数カ月前であったとしても、キャンセルした場合は、キャンセル料100%を請求する店もあるからだ。予約困難店であれば、キャンセル枠を周知すれば、数分で予約が埋まるのは周知の事実だ。それにもかかわらず、数カ月前のキャンセルでも100%客から取るのは、あまりにも不誠実に感じられる。結果として、飲食店に不信感を抱き、距離を置かれることにならないだろうか。
すべての席を開放するのではなく、新規客用に予約枠を開放すれば、新しい“食べ手”も育成できるのではないだろうか。 “究極の公平性”を担保する、全席抽選制を採用する選択肢もあっていいかもしれない。また、中長期的な視点に立てば、大手飲食店予約サービスであるTableCheck(テーブルチェック)が目指す「カスタマースコア」のような飲食店からの顧客評価システムにしたがって、予約枠を開放する方法もあるだろう。
予約困難店や高額店が増えている今、“飲食店のあるべき姿”を考える時期が訪れているのかもしれない。
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