中国EV「蔚来汽車」、資金調達に漂う不安の深層 事業会社の増資で戦略投資家の払い込み遅延

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蔚来汽車は中国の新興EVメーカーを代表する1社だが、競争激化の中で苦戦を隠せなくなっている。写真は同社の主力SUV「ES6」(蔚来汽車のウェブサイトより)

販売失速が伝えられる中国の新興EV(電気自動車)メーカー、蔚来汽車(NIO)の資金調達の行方に、市場関係者の注目が集まっている。

企業登記情報の更新記録によれば、蔚来汽車の中国における事業会社である「蔚来控股」の株主リストに、合肥建翔投資と安徽高新輿文蔚源科技という2つの社名が最近加わった。

前者は(蔚来控股の本社登記地である)安徽省合肥市政府の国有資産監督管理委員会、後者は安徽省政府の国有資産監督管理委員会の傘下にある投資会社だ。企業登記情報には、両社が合計28億元(約573億円)の出資金を蔚来控股に払い込んだことが記録されていた。

既存株主の支援得るはずが…

蔚来汽車は本社登記地をイギリス領ケイマン諸島に置き、アメリカのニューヨーク証券取引所に上場している。同社の事業構造は、中国の蔚来控股がEVの研究開発、製造、販売、アフターサービスなどの実業を手がけ、上場会社の蔚来汽車が「VIE(変動持ち分事業体)スキーム」と呼ばれる特殊な手法で実質支配権を持つ形式になっている。

(訳注:VIEスキームに関しては「米SEC、上場申請の中国企業に追加情報開示を要求」を参照)

蔚来控股は中国国内の事業関連資産を保有し、人民元建て資金調達の受け皿の役割も担う。蔚来汽車は2024年9月29日付の投資家向け情報開示で、同社が100億元(約2046億円)、3社の戦略投資家が33億元(約675億円)をそれぞれ拠出し、蔚来控股の増資を引き受けると発表していた。

この情報開示では、3社の戦略投資家は蔚来控股の既存株主である合肥建恒新能源汽車投資基金、安徽省高新技術産業投資、国投招商投資管理となっていた。これらはいずれも政府系の投資会社だ。

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