「人間はなぜ働く必要があるのか?」狩猟採集社会まで遡って、働き方の歴史を考えてみる

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そして都市部では、新たに誕生した職業に基づく共同体も生まれます。大工、石工、建築家、技師、下水処理人など新しい専門職が誕生すると同時に、大規模な集団(都市)の秩序を維持する官僚、裁判官、兵士なども必要になります。

農耕社会がもたらしたもの

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そのなかで、職業と一体化した社会的アイデンティティ(職業内での協力・支え合いの関係)も生まれていったのです。

宇 野「農耕社会の生産性の高さが、都市とか専門的な職業を生む源泉となったんですね。働き方も、狩猟・採集とか農耕だけでなく、新しい専門的な職業が生まれていくもととなったのが、農業が生み出す余剰だったというのも興味深いです」

真 由「でも、その生産性や余剰を生み出す農耕作業って、そこで働く人たちに過酷な労働を課すもので、身体的にも大きな負荷がかかるものだったんですよね。こんな辛い思いをするくらいだったら、元の自然な生活に戻ろうってならなかったんでしょうか」

なぜ元の生活に戻る選択はなかったのか。続きは3月28日(金)に配信予定です。
水町 勇一郎 早稲田大学法学部教授

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みずまち ゆういちろう / Yuichiro Mizumachi

1967年佐賀県生まれ。90年東京大学法学部卒業。東北大学法学部助教授、パリ西大学客員教授、ニューヨーク大学ロースクール客員研究員、東京大学社会科学研究所教授などを経て、2024年度より早稲田大学法学学術院・法学部教授。専門は労働法学。働き方改革実現会議議員、新しい資本主義実現会議三位一体労働市場改革分科会委員、規制改革推進会議働き方・人への投資ワーキング・グループ専門委員、労働基準関係法制研究会参集者等を歴任。主著に『労働法〔第10版〕』『集団の再生――アメリカ労働法制の歴史と理論』『労働社会の変容と再生――フランス労働法制の歴史と理論』『パートタイム労働の法律政策』(以上、有斐閣)、『詳解 労働法 第3版』(東京大学出版会)、『労働法入門 新版』(岩波新書)がある。

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