iPad Air先行レビュー「5年使える前提で選ぶ」 2つのサイズに隠されたそれぞれの「本質価値」

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iPadの絶好調を支えていたのが、今回刷新された2つのモデルであり、売れているからこその刷新、と言うこともできるだろう。

いずれも11インチの画面を備えているが、最も大きな違いはチップだ。iPad AirにはMacに採用されてきたM3チップが搭載されているが、iPadにはiPhoneと同じA16チップが採用されている。

性能はもちろん異なるが、特に廉価モデルでは、アップル独自のデバイス上で実行するAI機能「Apple Intelligence」に対応しない。

例えば店頭のメニューデバイスとして、あるいはAIをまだ使わなくてもいい初等教育の教材として活用する場合は、iPad(A16)が好んで選ばれることになるのではないだろうか。

M3チップ搭載の違いはどれほど?

iPadの現状を踏まえたうえで、今回登場するiPad Air(M3)を見ていこう。

2024年5月にM2チップを搭載して刷新されたばかりのiPad Airだったが、10カ月で次世代のチップに載せ替えが行われた。ただM2とM3ではチップの構成は同様で、8コアCPU・9コアGPU、16コアNPU(Neural Engine、機械学習コア)のまま。

しかしチップの製造プロセスがM2の5nmからM3の3nmへ変更され、微細化が進んでいる。微細化は一般的に、省電力性を向上させることができ、同じ電力を使うなら、より高性能を発揮する。

チップそのものの違いとして、GPUがサポートするダイナミックキャッシング、メッシュシェーディング、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングは、ゲームやグラフィックス制作などで、より高いグラフィックス性能を発揮する。

Adobe Illustratorなど、クリエイティブアプリも快適に動作する(筆者撮影)

筆者はゲームが下手くそであるが、美しいグラフィックスのゲーム画面を雑にぐりぐり動かしてもスムーズについてくる点は驚きであった。

Mシリーズのチップは、より高い性能を、より少ない電力で、というコンセプトで作られている。おそらくiPad Airをメディア視聴やApple Pencilを用いたタスクにおいて経験するのも、より優れた省電力性だろう。

カタログ上ではバッテリー持続時間は大きく変わらないが、実際に数日間、M2搭載iPad Air、そしてM3搭載iPad Airを同じような使用環境で使っていくと、バッテリー持続時間は10〜15%ほどの違いが生じた。

またM3チップは、2世代前のiPad Airに採用されていたM1チップと比べて、より高い処理性能を発揮することはもちろんだが、同じ処理性能を半分の電力で発揮できる。

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