iPad Air先行レビュー「5年使える前提で選ぶ」 2つのサイズに隠されたそれぞれの「本質価値」

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iPad Airには昨年のM2モデルから11インチモデルに加えて13インチモデルが追加された。この13インチモデルがM3チップを備えた点は、11インチの省電力性向上とはまた異なる効果があると考えられる。

それは性能向上とともに、大幅なコストカット効果だ。

iPad AirはM2モデル搭載まで、11インチモデルしかラインナップされておらず、13インチクラスの広いスクリーンを求める場合、iPad Pro 13インチモデルを選ばなければならなかった。

3年前に神戸芸術工科大学まんが表現学科を取材した際に、学生たちはiPadを用いて授業の課題や作品作りに取り組んでいたが、当時は13インチのタブレットはiPad Proしかなかったため、作品制作の効率性を考えると、iPad Pro 13インチモデルを選ばざるをえなかった。

確かにスクリーンやスピーカー、カメラなどは優れているが、漫画制作には直接的に必要ない。にもかかわらず、10万円近い金額を足さなければならず、クリエイティブを学ぶ学生からすれば大きな負担増となっていたのだ。

それでも、パソコンと液晶タブレットを揃えて、それらを持ち歩くという非現実的な学生ライフと比べれば、iPad Proへの投資が選ばれていた。

iPad Airに13インチモデルが追加され、本体価格はProの21万8800円〜からAirの12万8800円〜へとぐっと下がった。M3チップを搭載し、省電力性、グラフィックスの処理性能向上となったインパクトは大きなものだ。

5年使うつもりで機種選定を

iPad選びをする際に、自分も含めてつねに考えることは、「思った以上に非常に長く使うことになるデバイスである」ということ。

iPadは全般を通して、性能が陳腐化しにくく、壊れにくく、非常に長く使えるデバイスであり、5年程度使う前提で機種選定をしていくとちょうどいい。

ただ、今回のiPad Air選びで留意したいことは、Apple IntelligenceをはじめとしたAI性能だ。2025年4月にも、iPad上で作文や画像生成などが可能になるApple Intelligenceが日本語でも利用可能になる。

またPhotoshopやPixelmatorといった画像編集アプリ、Final Cut Proなどの動画編集アプリなど、AIを利用するアプリが増えていく中で、今後5年間でAIアプリが増えていく前提で、A16ではなくM3搭載のiPad Airを選択しておくといいのではないだろうか。

またベースモデルは128GBにストレージが倍増していて、大抵の用途では十分だが、ストレージも1つ上の256GBを選んでおくと、長く使えるという点で、安心できるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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