当初から想定していたのは、歯茎が弱くなった高齢者の需要だ。筆のような滑らかさで歯茎に負担をかけずに磨けることや、歯茎のマッサージ効果があると見込まれ、加齢で歯茎が弱くなった人、歯周病に悩む人などに受け入れられるのではと考えていた。
ただし、商品について心配する声もあった。企画や販売を手がけた快適生活用品事業部の奥野好則事業部長は「正直、発売前から『これは売れるのか?』という声はあった」と当時を振り返る。
歯ブラシは大手メーカーの定番ブランドの人気が強い商品カテゴリーだ。また、低価格のプライベートブランド商品も多く流通しているため、ブランド力の面でも、価格戦略の面でも新規参入が難しい。
奥野部長は「歯ブラシは本当に難しい商品カテゴリーで、こちらはほかと比べても値段が高い。商品に自信はあったが、新規参入が難しいといわれる市場に本当に入っていけるかどうかはチャレンジだった」と語る。
消費者の意外な反応、柔軟に商品戦略を転換
しかし、2021年4月に発売すると、小売店のバイヤーや消費者などから予想外の評価が大木に寄せられるようになる。
特に意外だったのが、大手ディスカウントストアで販売が伸びたことだ。
歯ブラシを取り扱うコーナーでは「ふわふわ」や「やさしい」といったポップアップとともに商品が陳列されるようになり、想定外の若者層から人気を呼んだ。さらに「この歯ブラシで磨くと子どもが嫌がらない」といった意外な声も寄せられた。
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