「漁師と一緒に魚を獲って"漁師メシ"も食べられる?」地域でできる「ホンモノ体験」こそ"地方大復活"のカギだ

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
十勝で楽しむ「トウモロコシの早朝の収穫」。サウナやBBQもつけ、高単価&高付加価値な観光メニューとなった(右が永谷亜矢子さん/写真:永谷さん提供)
この記事の画像を見る(4枚)
2024年、訪日外国人は3686万人を超え、過去最高を記録した。
日本は「観光立国」としての歩みを着々と進めているように見えるが、実はその恩恵が隅々まで行きわたっているとはいえない現状もある。
特に地方で問題視されている「人材不足」。これは、観光業界でも例外ではない。
100を超える自治体支援を行い、50社以上の地方企業と関わりながら、「デジタル」の力で地方創生に取り組む日本一わかりやすい地方創生の教科書の著者・イマクリエ代表の鈴木信吾氏と、地方創生における観光「マーケティング」の専門家観光“未”立国~ニッポンの現状~を上梓した立教大学客員教授・永谷亜矢子氏が、いまの地方を支えている「1次産業者」の話をベースに、地方創生について熱い議論を交わした(本記事は、全3回のうちの2回目)。
 
 
【この対談の3回目】

「地域のホンモノ体験」こそが価値を持つ

永谷亜矢子(以下、永谷)1次産業の「6次産業化」。これこそが、今後の観光における重要なキーワードになると考えています。

観光"未"立国~ニッポンの現状~ (扶桑社新書)
『観光"未"立国~ニッポンの現状~』(扶桑社新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

6次産業とは「1次×2次×3次=6次」という造語なのだけど、農業や水産業などの1次産業者がただ原材料をとって流通に乗せるのではなく、食品加工や流通販売などにも業務展開する経営形態を指します。

実際にある事例でいえば、漁師さんと一緒に船に出て、漁体験をしてもらって、港に帰ったら新鮮な海鮮丼を出すとか。

あるいは早朝のトウモロコシ畑で収穫、そのままサウナに入ってBBQを楽しめる観光コンテンツを提供するとか。

こうした「ホンモノ体験の力」は偉大です。地域に新たな付加価値を生み出し、また「高付加価値化」にもつながるはず。

鈴木信吾(以下、鈴木):とてもよい考え方ですね。

「うちには名所旧跡もないから、インバウンド誘致は不可能」と考えてしまっている地域は少なくない。一方、地域はむしろ1次産業の宝庫といえます。

「観光コンテンツがない」と最初から諦めるのではなく、「あるものをいかにして観光コンテンツに変えるか」という工夫や発想の転換が必要不可欠です。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事