鈴木:普段、1次産業者は最終消費者の顔が見えにくく、実際に観光客と接することに喜びを感じるとよく聞くので、いいモチベーションになりそうですね。
永谷:それも「6次産業化」のメリットです。なにせ近年、1次産業は「深刻な担い手不足」に悩まされていますからね。
鈴木:そうですよね。「1次産業の担い手不足」の解消にも一石を投じると思うのが「テレワーク」なんです。
テレワークで「二足のわらじ」を楽しみたい人はいる

鈴木:というのも、会社への出勤という「鎖」さえとれれば、地方に移住したい人は結構いますよね。
そして、それができる「デジタル人材」は地方にだってたくさんいます。
私の会社で働く社員にも「酪農」と「テレワーク」の二足のわらじを履きながら、田舎暮らしを楽しんでいる人が、実際にいます。
住居から牛舎までは車で10分。通勤時間が減った分昼寝もできるし、肉体労働がほどよい運動となっているそうです。
しかも毎回バランスのいい食事が家でとれるので、身体も引き締まり健康状態もよくなったと笑顔で語っていました。
永谷:なるほど。そのほうが、むしろ幸福度が高くなる人も多いでしょうね。
鈴木:そうした観点からも、テレワークは「若者の都会への流出」を防ぐだけじゃなく、「都心からのU Iターン移住者を獲得する」ひとつの方法といえると思います。