令和ロマンが浮き彫りに「オンカジ」政府責任は? 巧妙な広告戦略に問われる日本の法規制と対策
長年、ギャンブル依存症問題に取り組んできた公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会(以下、考える会)」の田中紀子さんはこの件について、「(高比良くるまさんは)気の毒というか、被害者的な側面も感じましたが、一方で、これだけ大きな騒動になったことで、多くの人がオンカジの違法性を知るきっかけになったのでは」と述べる。
ニッポン放送は無料版のオンカジの広告を放送していたことを認め、広告放送を自粛する決定を下した。
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田中さんはニッポン放送のこの迅速な対応を評価する一方で、「『無料版ならOK』は、オンカジ側が編み出した詐欺的手法。メディアがそうした広告を流すこと自体が大きな誤解を生む原因となっている。他社もこれに追随して、早急にあらためてほしい」と話す。
違法性を知らない日本人
そもそも「オンラインカジノ」とは何か。
政府広報オンラインによると、オンカジは、インターネット上で運営される賭博場を指し、海外の合法ライセンスを持つ業者が運営している。日本国内では賭博行為が刑法で禁止されており、公営ギャンブル(競馬や競輪、宝くじなど)以外のギャンブルをすることはすべて違法行為だ。同サイトにも「オンラインカジノの違法性に『グレーゾーン』はありません」とある。
だが、「日本ではオンカジが違法である」という認識が十分に広がっていないのが実情だ。
田中さんは「その違法性をほとんどの人が知らず、混乱を招いている背景には、政府の周知不足と情報発信の遅れがある」と指摘する。実際、政府がオンカジの違法性を明言したのは、2022年に発生した山口県阿武町の給付金の誤振込事件からだ。
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