令和ロマンが浮き彫りに「オンカジ」政府責任は? 巧妙な広告戦略に問われる日本の法規制と対策
「やりだしたらあっという間に依存症になって、重症化して自殺にまで追い込まれる人もいる。ギャンブルにのめり込むことで、多くの人が人生を失うリスクがあります」(田中さん)
オンカジを危険なギャンブルにしている最大の要因は、「ゲームのスピード」だと田中さんは言う。
「1回負けても、すぐに次の勝負ができる。すると、取り戻したいという心理が働き、どんどんお金を突っ込んでしまう。負けを重ねているうちに、思考が麻痺していく」
ギャンブルに使うお金がなくなると、人に金を借りるようになる。消費者金融はもちろんのこと、友人や家族などから、一見もっともらしい理由をつけて、5万~10万円単位でお金を借りるケースも多い。もっともらしい理由とは、たとえば、「飲み会の幹事になったから前金を支払わなければならない」「出張費の精算が遅れているので立て替えが必要」などだ。
さらに、借金が膨らみどうにもならなくなると、詐欺や横領、窃盗、闇バイトなどの犯罪に手を染めるケースも出てくる。借金から犯罪へとつながってしまうのだ。
今後求められる対策とは
田中さんは「ギャンブル依存症はその人の性格とはまったく関係なく、誰にでも起こり得ること」と話す。「自分自身だけでなく、家族や友人が巻き込まれることもあるし、会社で横領などの被害にあう可能性もある」と警鐘を鳴らす。
もし、家族や友人がギャンブル依存に陥った場合、どうしたらいいか。
重要なのは「お金を貸さないこと」だという。ギャンブル依存者の借金を肩代わりすることは、依存症を深刻化させる最大の要因になる。
「ギャンブルの借金を肩代わりしてしまうと、本人は『また助けてもらえる』と考え、やめられなくなる。すぐにお金を貸さないで、周りの人が『考える会』のような支援団体にまずは相談してほしい。依存症のための自助グループもあり、そこでたくさんの人が回復しています」(田中さん)
オンカジを過去に利用してしまい、「捕まるのではないか」と心配している人や、「やめたいのにやめられない」という人も相談してほしいという。「支援団体はオンカジで通報したりしないので、安心して相談に来てほしい」と田中さん。
何よりオンカジ問題は単に個人の問題にとどまらない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら