"オレオレ"なんて言わない「特殊詐欺」の最新手口 「知っているかどうか」が大きな分岐点になる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

手の込んだ詐欺芝居ですが、どんな手を使ってでも、お金をだまし取ろうとするのが特殊詐欺なのです。

この劇場型詐欺で2022年ごろから増えてきているのが、老人ホーム入居詐欺です。詐欺グループは、架空の入居権を譲ってほしい、名義を貸してほしいと、あなたに近づいてきます。手口は、次のような流れです。

①大手企業の社員を名乗る人物から電話がかかってきます。

「来年完成する予定の老人ホームの優先入居権が当たりました」

②①の人物から再び電話がかかってきます。

「もし優先入居権を使わないのであれば、入居したいという人がいるので名義を貸していただけませんか、もしくは入居権を譲っていただけませんか」

③ここで、相手の依頼を「いいですよ」と受け入れてしまうと、新たな人物が登場してきます。

「怪しげな人物」が次々と登場する展開に

例えば、弁護士。

「あなたが行ったことは、名義貸しという犯罪になります。入居費600万円をあなたが支払わないと逮捕されることになります」

『闇バイト強盗、特殊詐欺、盗難から身を守る いますぐ防犯』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

例えば、警察官。

「入居権を譲ったり、名義を貸したりするのは犯罪です。示談金として1000万円用意していただければ、罪に問われることはありません」

例えば、金融機関の社員。

「申し込みはあなたの名義になっていますので、いったんあなたの口座から入居金100万円を振り込んでください。後日、返金します」

「あなたは入居権を持っています」

「権利を譲ってほしい」

「名義を貸してほしい」

見知らぬ人から、そんな話を持ちかけられたら、すべて詐欺だと思ってください。

もし、そんな話を持ちかけられたときは、いったん電話を切って、子どもや親しい人に相談しましょう。すぐに詐欺だとわかります。相談する相手が近くにいなければ、警察相談専用電話#9110やお住まいの消費生活センターに相談してください。

(出所:『闇バイト強盗、特殊詐欺、盗難から身を守る いますぐ防犯』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

佐々木 成三 元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課・警部補

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ささき なるみ / Narumi Sasaki

1976年、岩手県生まれ。デジタル捜査班の班長として、デジタル証拠の押収解析を専門とし、埼玉県警における重要事件において携帯電話の精査や各種ログの解析を担当した。また、捜査本部に従事し、被疑者の逮捕、被疑者の取り調べ、捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当として数多くの実績を挙げた。2017年、「事件を取り締まるのではなく、犯罪を生まない環境を作りたい」という思いから埼玉県警を退職。現在は、TV番組にコメンテーターとして多数の番組に出演するほか、学生を犯罪リスクから守ることを目的に設立された「一般社団法人スクールポリス」の理事を務め、学校や企業での講演など幅広い活動を行っている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事