"オレオレ"なんて言わない「特殊詐欺」の最新手口 「知っているかどうか」が大きな分岐点になる

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「キャッシュカードを他人に渡した疑いがかけられている、容疑を晴らすには保釈保証金を支払う必要がある」と話したので女性が詐欺を疑い、「電話番号が実在するか確かめて」と言われ確認したところ、末尾が「0110」で岡山県警本部の番号と一致したのです。

こうなると、普通の人は信じてしまいます。警察関係の電話の末尾が「0110」であることを知っている人なら、なおさらです。しかし、犯人は任意の着信番号を表示できる特殊な海外製のアプリを使っていて、実はこれもニセの番号を表示させていただけでした。結局、女性は1900万円をだまし取られてしまいました。

こうしたケースでは、海外から発信されているケースが多いようです。女性の着信履歴も、よく見ると「+1(アメリカからの着信)」になっていました。

電話番号を偽装できるケースもあるので、末尾が「0110」でも簡単に信じたりせずに、相手の部署や姓名を確認して、自分で本物かどうか確認を取ってください。もっとも、そこまでしなくても「警察から金品を要求された」という時点で、ニセモノ確定なので、電話を切っても問題ありません。

警察関係者だけではなく、「市役所の○○課の○○です」「水道局の○○です」と、公的機関を名乗ってだまそうとする特殊詐欺も増えています。

世の中に知られると、次々に手口を変えてくるのが特殊詐欺です。いますぐにできることは、詐欺の手口を知ることです。

犯人は「この人は知っているな」と気づいたらすぐにあきらめます。だます相手はいくらでもいるので、知っている人にこだわる理由はないからです。ただし「知らないな」と思えば、とことんだまし続けます。

特殊詐欺の新たな手口を知っているかどうかが、だまされるかどうかの大きな分岐点になることを覚えておきましょう。

複数の人物による「劇場型」の老人ホーム入居詐欺

特殊詐欺には、複数の人が次々に登場してだましてくる劇場型というタイプもあります。

例えば、

①ある給付金のことで市役所の職員から電話があって説明される

②その給付金のことで金融機関から電話があって説明される

③さらに警察官が訪問してきて給付金のことで話をされる

となると、その給付金の話は真実だと思ってしまいます。

しかも、市役所の職員も、金融機関の社員も、警察官も異なる人が演じているので、だまされているほうは、その3人が仲間だと気づけません。

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