タイで復活、日本の「元ブルートレイン」現在の姿 国際列車として再び走り始めた彼らに乗る旅

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近年、日本で現役を引退した鉄道車両が東南アジアへと渡り、“第2の人生”を送る例が増えている。最も大規模なものがインドネシアで、JR東日本や東京メトロなどの中古車両が数百両単位で譲渡され、今も活躍中だ。

同国に送られた車両は電車だが、電化設備を必要としない気動車や客車はフィリピンやミャンマー、マレーシアなどにも輸出されており、タイもその1つである。

タイの鉄道と日本の関係は深い。歴史をさかのぼれば、日本が占領していた時代に泰緬鉄道が建設され、現在もタイ国鉄の一路線として運営されている。

また、戦後には賠償の一環として新製客車がタイに送られたほか、1980年代にもタイ仕様で設計・製造された気動車を輸出。市場の中を列車が走ることで有名なメークローン線をはじめ、各地で今も使われている。

寝台特急「あさかぜ」などで活躍

一方、冒頭で記したブルートレインはもともとJR西日本が寝台特急「あさかぜ」などで運用し、その廃止後に輸出されたものだ。

当初はエアコン付きという強みを生かし、優等車として使われたものの、やがて韓国製や中国製の新型客車に置き換えられる形で活躍の場が徐々に縮小。2010年代中ごろには定期運用がなくなり、臨時列車や多客時の増結用として使われるようになった。

定期運用がなくなるというのは、「この列車に乗れば必ず元ブルートレイン車両に会える」という機会がなくなることを意味する。つまり、元ブルートレイン車両に乗れるかどうかは運次第、それもかなりの強運が必要となったわけだ。

ちなみに、タイ国鉄では貸切車両のような制度があり、定められた料金を支払えば定期列車に元ブルートレイン車両を増結してもらうことも可能なのだが、費用面や申し込み手続きなどのハードルが高く、日本人がおいそれと申し込むのは難しい。

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