タイで復活、日本の「元ブルートレイン」現在の姿 国際列車として再び走り始めた彼らに乗る旅

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さて、翌朝。車内では冒頭で書いたような光景が見られた。日本でブルートレインが運行されていた末期には、こうしたリネンの撤去作業は終着駅で乗客を降ろした後、車両基地などで行っていた。実は筆者がこの作業を見るのは初めて。年配の方にはとても懐かしいものなのであろう。

タイ 夜行国際列車
タイとラオスを結ぶ橋を渡る夜行国際列車。奥がラオス側(撮影:伊原薫)
【写真の続き】タイとラオスの国境の橋では「元京都市バス」の姿も。かつて日本各地を走っていた寝台特急の雰囲気が味わえる国際夜行列車の旅

国境の橋を渡る元ブルートレイン

その後も列車は1時間ほど走り続け、午前8時前に国境手前の駅、ノーンカーイに到着。ラオスへと渡る乗客もいったん下車し、出国手続きを行う。筆者はここで列車に別れを告げ、両国間の川に架かる道路と線路の併用橋で列車を撮影することにした。

やがて車の往来が止められ、さらに数分が経過した後、機関車のヘッドライトが見えた。後ろ側の数両を切り離し、身軽になった列車。その前寄りには、3両の元ブルートレイン車両が連結されている。

彼らもまさか、製造から50年を前にして国境を越える列車に充当される日が来ようとは夢にも思わなかったに違いない。ゆっくりとした足取りで橋を渡り、ラオスへと入ってゆく後ろ姿は、「オレたちはまだまだ走れるぞ」と語っているような気がした。

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伊原 薫 鉄道ライター

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いはら かおる / Kaoru Ihara

大阪府生まれ。京都大学交通政策研究ユニット・都市交通政策技術者。大阪在住の鉄道ライターとして、鉄道雑誌やWebなどで幅広く執筆するほか、講演やテレビ出演・監修なども行う。

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