「ドイツ=正確」は昔、欧州鉄道満足度ランキング 「遅れる」イメージのイタリアやチェコが躍進
T&Eは今回の調査について、「鉄道システムはゼロ・エミッションを進める世の中で、最も重要な礎となる存在の1つ」としたうえで、「ヨーロッパの多くの鉄道会社は期待されたサービスレベルを下回っており、EUの調査によれば鉄道の定時性や信頼性に満足している人は全体の59%にすぎない」と、現状の鉄道が抱える課題を指摘する。
そして、「そのために改善を推進し、国家レベルの政策変更に情報を提供するため、最も包括的なヨーロッパの鉄道事業者サービスランキングを作成するに至った」と説明している。
分析に当たっては、以下の8つの項目に沿って評価し、それぞれ重要度に応じて点数の比率を変えている。これら8項目をそれぞれ10点満点で評価し、それに基づいて総合評価のスコアを出している。
2:各種特別割引運賃の設定(15%)
3:信頼性・定時性(15%)
4:予約のしやすさ(15%)
5:遅延や運休時の補償に対する方針(10%)
6:乗車時の体験※車内でのサービス内容など(10%)
7:夜行列車の運行(5%)
8:自転車輸送に関する方針(5%)
(*カッコ内の%は総合評価の際の配分を示す)
7・8の2項目は、一部の乗客に対する特定のサービスについて評価するものである。国や地域、運行区間によっては夜行列車の運行が難しいケースもあり、実際に最下位となったユーロスターは運行が不可能なため、得点は0点となる。自転車積載も同様だ。評価に含めるべき項目ではないと感じるかもしれないが、夜間移動による効率性や、自転車利用による二酸化炭素排出抑制への期待という視点で見た場合、この項目は含まれるべきと考えてのものだろう。
ライバル登場で大幅改善のイタリア
実際の採点を比較してみよう。
1位となったトレニタリアは、総合7.7点(10点満点)を得た。自転車輸送以外はいずれも高い得点を獲得しており、信頼性・定時性の項目でも6.6点と平均以上を獲得している。
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