「ドイツ=正確」は昔、欧州鉄道満足度ランキング 「遅れる」イメージのイタリアやチェコが躍進

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ドイツ鉄道は、総合5.9点で16位と振るわなかった。とくに信頼性・定時性で2.5点という非常に低い評価を得てしまったのが痛手だ。ドイツ鉄道の遅延については過去の記事でも指摘したが、老朽化したインフラが、列車本数の増加した現代の鉄道運行には完全にミスマッチとなっており、もはやドイツ鉄道の力だけで対処できない状況に陥っているとも言える。

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定時性で大きく評価を落としているドイツ鉄道。インフラの老朽化が大きな課題となっている(撮影:橋爪智之)
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ドイツ鉄道の高速列車ICE。同鉄道の信頼回復には国内インフラの再構築が不可欠だ(撮影:橋爪智之)

最下位「ユーロスター」なぜ低評価?

そして「ユーロスター」は総合4.9点という最低評価を獲得してしまった。その主な理由は非常に高額な運賃設定で、2.1点という低評価だ。

英仏間を移動する人の大半は航空機でなくユーロスターを利用しており、ライバルとなる鉄道会社もないため寡占状態となっている。それが強気な運賃設定へとつながり、利用を阻害する要因となっていると批判されている。

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ワースト1位に選出されてしまった「ユーロスター」。寡占状態でありチケットの高額さが批判の対象となっている(撮影:橋爪智之)
【写真でもう一度】どれに乗ってみたい?イタリア、フランス、ドイツ、スイス……美しいヨーロッパの風景の中を走る各国の代表列車たち

マッキンゼーの調査では、49%の回答者が交通手段の選択の要因に価格を挙げており、Europe on Railの調査では73%の回答者が同じルートでは航空機より鉄道のほうが安いはずだと考えている、という結果が出ている。この調査において最も重要視している項目での低評価がワースト1位の原因となってしまった。

運賃に関する評価がユーロスターより低かったのは、1点だったイギリスのグレートウェスタン鉄道のみであった。

この調査は、あくまで独自の算出方法によってランク付けされたもので、この順位がそのまま会社の評価に直結するものでもなければ、利用客の評価とぴったり一致するものでもない。しかし鉄道会社側からすれば、これを一つの評価として、自分たちの足りない部分の改善に結び付けることができれば、会社にとっても利用客にとっても、より良い鉄道運営を期待することができるだろう。もし日本で同じ調査をした場合、どのような結果が出るだろうか。

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